ほのかなバニラが香るドラゴンの炎「ペンハリガン アーサー」新作レビュー

ほのかなバニラが香るドラゴンの炎「ペンハリガン アーサー」新作レビュー フレグランス

ペンハリガンの「ザ ワールド アコーディング トゥー アーサー オードパルファム」が2022年4月6日に発売となりました。

英国貴族社会の架空の人物をモチーフにしたフレグランスコレクション「ポートレート」シリーズの最新作です。

ドラゴンの炎のように赤い液体が特徴で、フランキンセンスの落ち着きのあるお香の香りと、バニラの甘さが幻想的な世界観を表現しています。

ジョージ卿の兄・アーサーのストーリー

貴族の家に生まれ、法律の世界で働き、だれの目にも順風満帆に見えたジョージ卿の兄・アーサーの人生。

しかし周囲からの高い期待、そして家族の関係にプレッシャーを感じ、せっかくのキャリアを投げ捨てます。

とはいえ彼は世捨て人となったわけではありません。

スピリチュアルな叡智を高めるために、東洋の帝国・中国へと旅立ちました。そこで更なる智慧と機知を手に入れたアーサーは、燃え滾る炎のように手が付けられないようです。

そして怒ると炎を吐くとされる中国の伝説上の生物、ドラゴンこそがアーサーの象徴です。

そんな聡明さと恐怖を持ち合わせる彼には、一家の主ジョージ卿でさえも慎重な対応を取らざるを得ないようです。

オリエンタルなパッケージとドラゴンのボトルキャップ

オリエンタルなパッケージとドラゴンのボトルキャップ

パッケージデザインは、アーティストのクリスティヤーナ・S.ウィリアムズとコラボレーションしたもの。

ポートレートシリーズのパッケージデザインはすべて彼女が手掛けています。

中央にアーサーと思しき人物とドラゴンが描かれ、東洋を思わせる建造物や宝箱、そして様々な色彩の植物が咲き乱れています。

どれも実在しない生物、植物が無秩序に見えて静謐なワンシーンを彩っています。

ボトルキャップは勇ましいドラゴンモチーフのデザイン。

男なら一度は一目見たいと憧れたドラゴンを所有する喜びを味わわせてくれます。

香りの構成と価格

トップノート:タヒチ産バニラ、フランキンセンス、グレープフルーツ

ミドルノート:アンブレット、クラリセージ

ラストノート:トンカビーン、フランキンセンス

調香師

ファブリス・ぺルグラン

▼価格

75ml: 36,300円(税込)

レビュー:お香とバニラの柔らかく優しい甘さ

バニラとフランキンセンスがキーとなり、思った以上に柔らかく、主張が控えめです。

ほんのりとしたバニラ、そしてウッディ系の甘さが好きな方が間違いなく好きだと思います。

いわゆる”もったり””重い”バニラの甘さではなく、とても軽やかなため、暖かい季節でも嫌みなく纏える香水だといえると思います。

迫力のあるボトルデザインやドラゴンの怒りの炎のイメージとはかけ離れた優しさです。

しかしこの香りの中にこそ、アーサーという人物の温厚さや知的さが表現されているように感じました。

燃え盛る荒々しい炎ではなく、松明にゆらめく落ち着きのある炎といったイメージです。

ただ持続時間は、オードパルファムとはいえ5時間持つかどうかは怪しいというのが正直な感想。

ちなみに炎の再現ということもあり、香水の液体(ジュース)は本当に赤い色素が使われており、直接衣服に着けるとシミになってしまう恐れがあります。

そのためスプレーする際は注意して行ってください。

ペンハリガン アーサーに似ている香水

重さや嫌みがないバニラ系の甘い香水という意味で、マルジェラのウィスパー イン ザ ライブラリーの香りとニュアンスが比較的近いかと思います。

この香水は図書館、古書をイメージした香りで、温もりのある木のまろやかな甘さが特徴です。

10ml・4,180円(税込)からラインナップがあるので比較的手も出しやすい作品だと思います。

ポートレートシリーズとは

ポートレートシリーズとは

英国貴族社会の架空の人物をモチーフにしたフレグランスコレクションが「ポートレート」シリーズ。

それぞれの香水に物語がつけられ、彫刻風のボトルキャップも他にない特徴的なデザインでコレクター欲をくすぐる。

購入はこちら

少量から香水を試すことができるサービスがあります。

実際に店頭でフルボトルを購入する前に、本当に自分に合った香水なのか、そして後悔しない買い物にするための素敵なサービスです。

毎月定額(サブスクリプション)で1本以上の香水を楽しめるCOLORIA、香水1本単位の都度払いでお試しできるセレスといったサービスがあります。

サービスごとに取り扱いブランドも異なるため、各サービスを使い倒して未知のブランドとの出会いを楽しむのも素敵だと思います。

タイトルとURLをコピーしました